電力制御の方式と特徴について


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1.はじめに

 温度制御システムを構成する場合、温度センサ温度調節計電力操作器というアイテムが最低限必要になります。下図に、その基本システムを示します。

温度制御の基本的な例
図1:温度制御の基本システム例
  今回は、特に、電力操作器について、その動作原理、使用上の留意点等について、温度制御的な視点や、消費電力等に着目して、ご説明したいと思います。

2.電力操作器の種類と使用上の留意点

  一口に電力操作器といっても、その種類は、簡単なマグネットリレーから、インバータといった複雑な電子回路のものまで、多岐に及びますので、ここでは、主にヒータを熱源としたシステムとして、次に挙げるものを対象にします。

2-1 マグネットリレーの特徴

 マグネットリレーの特徴は、以下の通りです。

 <メリット>
 <問題点> という面があります。

(等価回路)
マグネットリレーの特徴の説明図
ヒータ電流波形
マグネットリレー使用時のヒータ電流波形の説明図

2-2 ゼロクロスSSR(ソリッドステートリレー)

 マグネットリレーに対して、SSRを用いると、半導体スイッチの高速動作を利用して、ゼロクロス動作を行うことができます。
ゼロクロス動作の特徴は、以下の通りです。

 <メリット>
 <問題点>
(等価回路)
ソリッドステートリレーの等価回路説明図1

ソリッドステートリレーの等価回路説明図2
図6

2-3 連続比例型ゼロクロスSSR(ソリッドステートリレー)

 ゼロクロス型SSRに、さらに、連続的な出力量を実現する方式が、連続比例型SSRです。ゼロクロス型SSRに比べて内部回路が複雑になりますが、以下のメリットがあります。

 <メリット>
(等価回路)
連続比例型ゼロクロス制御の等価回路説明図1
連続比例型ゼロクロス制御の等価回路説明図2

2-4 位相制御器

 ゼロクロスSSRに対し、半サイクル毎に、導通角を調整して、電力を連続的に制御する方式が位相制御です。("位相制御で発生する高調波電流と高周波ノイズについて"技術解説参照)
その特徴は、

 <メリット> この方式は、特に、高速な応答をする熱負荷(ランプヒータなど)において効果を発揮します。
ただし、制御性が最も優れていますが、回路が複雑で、比較的高価であり、高周波ノイズや高調波電流を発生し、問題になるケースがあります。
(等価回路)
位相制御器の等価回路説明図1
位相制御器の等価回路説明図2

3.SSRの電力損失について

 SSR、位相制御器には、開閉素子として、サイリスタやトライアック等の半導体が用いられています。この素子の、出力特性は、ダイオード性でON時の順電圧に比例して、電力損失が発生します。
この順電圧は、ヒータの電源電圧に関わらず、ほぼ一定ですので、ヒータの平均電流が大きいほど電力損失が大きくなります。
ヒータのエレメントは、素材により異なりますが、低抵抗ヒータの場合は、AC20V程度の電源電圧でドライブが必要になる場合があります。
そこで、それぞれAC20V、AC100V、AC200V定格の1kW ヒータを負荷率100%(全ON)でドライブしている場合の素子の電力損失を比較表にしました。
電源電圧 ヒータ電流実効値 電力損失 ドライブ効率
AC20V 50A 58.5W 94.2%
AC100V 10A 11.7W 98.8%
AC200V 5A 5.9W 99.4%
 *トライアックの電圧降下を1.3V一定とした。
*ゼロクロスSSRでは、損失が負荷率に比例して発生するので、負荷率50%では、損失がほぼ半分になるという目安になる。

 このように、低電圧で電力制御を行う場合は、半導体素子をサイリスタやトライアックにすると、電力損失が大きくなるため、FETなどの低抵抗性素子を用いて、電力損失を低減しないと、発熱が多くなり、結果的に放熱器が大きくなるといった問題が生じます。

まとめ

 以上、ご説明したように、電力制御の方式は、それぞれに特徴があり、その装置にフィットしたユニットを選択しないと、
等の、問題が生じます。

従って、最適なシステムを実現するためには、 等の措置が必要になります。


単相電力調整器 THV-A1シリーズ

単相電力調整器 THV-A1シリーズ
THV-A1型は、20A~200Aまでラインナップされたコンパクト設計の多機能単相電力調整器(サイリスタユニット)です。
定電圧制御(標準機能)・定電流制御(オプション)・定電力制御(オプション)により貴金属系ヒーター(白金・モリブデン)・スーパーカンタル・炭化珪素系ヒーターなど温度変化により抵抗値が変化するヒーターに対応可能です。
さらに、非直線性負荷のヒータ断線検知機能(オプション)、通信機能(オプション)等々、用途に合わせて多彩な機能を付加する事が可能です。

三相電力調整器 THW-Aシリーズ

三相電力調整器 THW-Aシリーズ
THW-A型は、20A~100Aまでラインナップされた高性能で多機能な三相電力調整器(サイリスタユニット)です。
単相タイプのTHVシリーズ同様、用途に合わせて『位相制御』,『連続比例ゼロクロス制御』,『入力同期式ゼロクロス制御』を切り換えてご利用可能です。

単相電力調整器 THV-1シリーズ

単相電力調整器 THV-1シリーズ
THV型は、20A~100Aまでラインナップされたコンパクト設計高性能単相電力調整器(サイリスタユニット)です。
(20A, 30A用の幅 48mm)
用途に合わせて『位相制御』,『連続比例ゼロクロス制御』,『入力同期式ゼロクロス制御』を切り換えてご利用可能です。
デジタル表示で簡単設定、フリー電源(100~240V)、周波数自動判別対応など
※ UL/CSA認定品(20, 30A)およびUL/cUL認定品(45A以上)対応に伴う仕様変更について(PDFファイル)

単相電力調整器 THV-10シリーズ

単相電力調整器 THV-10シリーズ
THV-10型は、AC 150A, AC 200Aの高電流に対応したコンパクト設計高性能単相電力調整器(サイリスタユニット)です。
用途に合わせて『位相制御』,『連続比例ゼロクロス制御』,『入力同期式ゼロクロス制御』を切り換えてご利用可能です。
デジタル表示で簡単設定、ローダ通信機能、フリー電源(100~240V)、周波数自動判別対応など

単相電力調整器 THV-40シリーズ

単相電力調整器 高電圧タイプ THV-40シリーズ
THV-40型は、高電圧負荷 AC380~480Vに対応したコンパクト設計の高性能単相電力調整器(サイリスタユニット:20A~200Aまでラインナップ)です。
(20A, 30A, 45A用の幅 68mm)
高電圧負荷が要求される海外向け装置、機器などに幅広くご使用頂けます。
用途に合わせて『位相制御』,『連続比例ゼロクロス制御』,『入力同期式ゼロクロス制御』を切り換えてご利用可能です。
デジタル表示で簡単設定、ローダ通信機能、周波数自動判別対応など

単相電力調整器 SSNP, SSNZ

単相電力調整器 SSNP(位相制御), SSNZ(ゼロクロス制御)
SSR(ソリッドステートリレー)感覚で簡単に使用可能な幅21.5mmのスーパースリムデザインDINレール取付式放熱フィン一体型電力調整器です。
位相制御タイプのSSNP型とゼロクロス制御タイプ(連続比例式)のSSNZ型があり、最大負荷電流 15A(周囲温度:0~40℃:垂直単独取付時)と最大負荷電流 25A(周囲温度:0~40℃:垂直単独取付時)がそれぞれラインナップされています。
デジタル制御を採用しリニアな入出力特性、高速応答(1サイクル以下:ソフトスタートOFF時)を実現しました。
さらに、密着取付(最大8台:電流制限があります)で省スペースに貢献します。

ソリッドステートリレー SSNシリーズ

ソリッドステートリレー SSNシリーズ
SSN型は、21.5mmの薄型のDINレール取付式放熱フィン一体型単相ソリッドステートリレーです。
SSN-25Fは、最大負荷電流25A(周囲温度:0~40℃),SSN-15Fは、最大負荷電流15A(周囲温度:0~40℃)で広範な制御にご利用頂けます。
さらに、2007年1月22日より最大負荷電流45AのSSN-45Fがラインナップに加わりました。
密着取付も可能(ただし、電流制限があります)で省スペースに貢献します。
当社のマルチチャネルコントローラ(SRZ, SR Mini HG, MA900, MA901等)と組み合わせてご利用をお薦めします。

ソリッドステートリレー SSJシリーズ

ソリッドステートリレー SSJシリーズ
SSJ型は、シンプル、エコノミータイプの単相ソリッドステートリレーです。
放熱フィン(ヒートシンク)無しと放熱フィン(ヒートシンク)付きをラインナップしています。

三相ソリッドステートリレー SST

三相ソリッドステートリレー SSTシリーズ
SST型は、コンパクトな三相用ソリッドステートリレーです。
オプションとして素子不具合検出機能を付加できます。

制御関係

ハード関係

センサ関係
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