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熱電対の原理について 2 熱電対についての豆知識1の解説
○熱電対の三法則について(続き)
中間温度の法則
豆知識では「T1,T2,T3と温度の異なる点を熱電対にて、温度計測した場合、T1−T2 間の熱起電力E1とT2−T3 間の熱起電力E2の和は、T1−T3間の熱起電力E3に等しい」とあります。
図1のように、均質な金属A、Bからなる熱電対において、両接合点の温度がT1,T2である時のEをE12、T2,T3である時のEをE23、T1,T3である時のEをE13とすれば、
 E 12=E AB (T1) − E AB (T2)
 E 23=E AB (T2) − E AB (T3)
 E 13=E AB (T1) − E AB (T3)
と表せ、
 E 12+E 23=E AB (T1) − E AB (T3)
となり、これは上記E13の右辺と等しいため、
 E 12+E 23=E 13
となり、T2を中間温度と呼びます。この式からもT1、T2、T3それぞれの温度差から得た熱起電力の和と全体の熱起電力の和が等しいことが分かります。
 
中間温度の法則の説明図 1
図1
中間温度T2として標準温度(例 0℃)を選び、任意の測定点の温度T1,T3,…,Tnとその温度の標準温度に対する起電力を求めておけば、任意の測定点間の起電力を計算で求めることができるようになります。
例えば、温度指示計と熱電対の組み合わせでは、測定点の温度T1、基準となる標準温度T2=0℃、温度指示計の測定端子温度T3 (内蔵の温度センサーで測定)であった時に、T1−T3間に生じる起電力を入力回路で取り込み、T2(0℃)−T3間の起電力分を内蔵の温度センサーの測定値で補正することができます。これらが既知の値となることで、中間温度の法則を用いてT1-T2(0℃)間の起電力を求めることができます。
ここで、基準接点温度0℃と任意の温度との間に生じる起電力はJIS等の熱電対の起電力表に記載されているように既知の値であるため、温度換算することで目的の測定点の温度T1を知ることができます。

○実際の測定回路の説明
補償導線を使用した測定回路
RKC製品を用いて温度計測をする測定系を例にとって、今までに説明した法則がどのように使われているかを示していきたいと思います。測定系として、熱電対T-101S,温調計(FB,SRZ,RB等)という構成とモデル化したものを図2に示します。

図2のように熱電対素線A・B,補償導線C・D,温度調節計Fがあるとき、各接合点の温度がT1,T2,T3であるとき、
補償導線を使用した測定回路の説明図
図2
AからBへ反時計回りにEを計算していくと、
 E = E AB (T1) + E BD (T2) + E DF (T3) + E FC (T3) + E CA (T2) ・・・(式1)
と表せ、Fが中間金属により結ばれているとすると、
 E = E AB (T1) + E BD (T2) + E DC (T3) + E CA (T2) ・・・(式2)
となります。式2の右辺の第2項と第4項に中間金属Xを挿入すると、
 E = E AB (T1) + E BX (T2) + E XD (T2) + E DC (T3) + E CX (T2) + E XA (T2) ・・・(式3)
となります。式3の右辺の第2、第3、第5、第6項は、
 E BX (T2)+E XA (T2) = E BA (T2) =−E AB (T2)
 E XD (T2)+E CX (T2) = E CD (T2)
とまとめることができ、
 E DC (T3) =−E CD (T3)
となるので、式3は、
 E = E AB (T1) − E AB (T2) + E CD (T2) − E CD (T3) ・・・(式4)
と表せます。
補償導線の起電力は、
温度Tが室温+α(100℃以下または150℃以下)のとき、
 E AB (T) = E CD (T)
となるように作られているので、
 E CD (T3) = E AB (T3)
となり、式4は、
 E = E AB (T1) − E AB (T3) (式5)
と表すことができ、温度調節計Fが測定する温度は、測定点の温度T1と計測器の端子温度T3のみによって求めることができ、T2の影響を無視できるようになります。

実際の熱電対では、熱電対素線に、その種類に適合した補償導線を接続しています。
また、熱電対を使用する計測器のほとんどは温度測定端子部の温度を内蔵された温度センサーによって計測し、上記の式5の右辺の第2項にあたる「−EAB(T3)」の部分を補正しています。
このような温度測定回路とすることで、正しく温度計測を行うことができるようになっています。
熱電対についての豆知識2をご参照ください。


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