ヒータ駆動方法と配線部の損失について
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 ヒータラインに電力を供給するための配線等では、実効電流の2乗に比例して電力損失が発生します。通常、この損失は熱として放出されます。今回は、主電源の配線による損失が、ヒータの電力制御をする方法により変化することについて解説します。

  電力操作器の電力操作方法には、

                  (1) ヒータ電流の導通時間を変える
                  (2) 供給電圧(一定電圧)を変える

の2種類に大きく分けることが出来ます。位相制御器、ゼロクロス制御器など、電力操作器の多くは(1)のタイプになります。これらの制御器を複数台繋いだ場合、制御方法により電源ラインの損失は増減します。
 一方、(2)の方式ではヒータラインによる損失は少ないのですが、この方式を実現するには可変電圧型電源等が必要でコストがかかる上、電源の変換損失が大きくなるので、一般的には(1)の方法が用いられています。そのため、今回は、(1)の方式による電源ラインの損失について2台の電力操作器を使用した場合(図1)を例に考えてみます。

図1
図1 回路図

各ヒータが同時に50%の期間を導通した場合を想定すると、各ヒータおよび電源電流波形は図2になります。(※ただし、等価的にAC波形をDC波形として、簡単に表現しました。)

図2 各部の電流
図2 各部の電流1

 各ヒータに流れる最大電流をIaとすれば、電源電流Iは最大2Iaとなります。
この場合、電源から見た実効電流値は 実効電流値の式 となります。

 また、各ヒータが交互に50%導通した場合には、図3になります。

図3 各部の電流2
図3 各部の電流2


 この場合には電源電流は最大Iaとなり、電源から見た実効電流値もIaとなります。

このように各ヒータに流れる電流値および導通割合は同じであっても、導通タイミングを変えると、電源から見た実効電流値は変化することが分かります。

 電源の電流値は、電源ラインの損失(銅損)に影響します。先の例で各ヒータの導通期間をずらした場合は、同時に導通させた場合と比較して
数式

となります。よって、電源ライン損失を50%減らせることがわかります。

 先の2種類の導通方法で、出力0〜100%の電源ライン損失をまとめました。ここでは各ヒータの導通時間は同じとします。

図4 電流波形 ヒータの導通開始が同じ場合(a)と、ずらした場合(b)
図4 電流波形 【ヒータの導通開始が同じ場合(a)と、ずらした場合(b)】


図5 損失減少率の推移
図5 損失減少率の推移


 導通開始時期をずらした場合【図4(b)の方法】は、出力50%以上で電源電流が2Iaになる部分が出来ます。
 図4(b)のように導通開始時期を出力周期の半周期分ずらす方法を用いた方が、出力値に関係なく電源ラインの損失が減少しています。特に、出力50%以下では損失が50%減少しています。

  このように、ヒータ電流の駆動方法を工夫すると、次のようなメリットがあります。

配線抵抗による電力損失を削減できる(省エネになる)
場合によっては、ピークパワーを低減できるので、電力設備の電源容量が小さくでき、コストダウンにつながる
以上
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